こんにちは。五条銀吾さん。
これまで、世界中の多くの地域のスバリストとお話をしてきましたが、イスラエルの人たちとはまだ話したことがありません。この人たちと話し始めたら、おそらく1週間寝ずに話し続けても話題が尽きることはないと思うのですが(笑)、でもこれからの人生の楽しみがまた増えました。いつもありがとうございます。
自動車に関する環境については人それぞれ、いろいろな意見があると思います。車を維持していくのには確かにお金が掛かります。私は子供のころから自宅から半径20km圏内のスバルオーナーをすべて知っていて、その各々のスバルたちがどのような運命を辿ったのかを時に心を痛めながら見てきました。だからこそ多くの主を失ったスバルたちの仲介をしてきました。
税金が安いからクラシックカー趣味が盛り上がるかというと、そういうものでもないと思います。前のオーナーが数十年にわたり大切にメンテナンスしてきた車を、なんとなくその時に気分が盛り上がったから手に入れて、ちゃかんちゃかんに弄り倒した挙句、1年もたたずに飽きて、車と一緒に譲ってもらった部品もろともスクラップになっていた・・・なんて顛末はよくある話です。
車齢20年を過ぎれば、グローバルのメーカーの中でも比較的長く部品を供給してくれるスバルでも、確実に部品の入手は難しくなっていきます。そんな中でもそのクルマに乗り続けていくためには、オーナー自身のそのクルマに対する情熱や愛情が必要です。情熱が愛情があるからこそ、多少の困難は乗り越えていけるものですし、あえてそうした困難を厭わずに続けて行けるものだからです。そして、クルマに対する愛情も人それぞれで、オリジナルにこだわって維持していきたいと考える人もいれば、自分なりに手を加えていく人もいて、そのどれもが正解で、間違いというものはないと思います。
税金が高いから車を乗り替える、というのなら、そのオーナーはその車には愛情もこだわりも抱くことができなかった、ということです。つまりその人にとって、車は単なるライフツールのひとつに過ぎず、その道具を維持するために掛かる経費の方が車を維持する事実より重要なのです。だからといってそれを非難することは筋違いです。なぜなら、そもそも車は人々の生活を便利にする道具でもあるからです。過去のアプライドモデルはすべてその時点での時系列を切り取った断片で、新しい車を古い車から進化させることができないメーカーはいすれ淘汰されるでしょう。
でも古いクルマには、そのクルマが生産されていた時点までの輝かしいヒストリーがあります。だからそれを大切にしたい、あるいは、個人的にその車と紡いだ思い出があるから、ずっとその車と一緒に生きていきたい、ずっとその車に乗り続けていきたい、と思えるものだと思うのです。
その人個人の記憶はどうすることもできませんが、より多くの人々にもっとスバルを知ってもらう努力を地道に重ねていくことは私にもできます。何がきっかけになるかは分かりません。でも、自分がスバルについてくどくど、くどくどと語った何かが、ある人の心の奥底に沈んでいた古い記憶を呼び起こして符合した時に、人は初めてモノに愛情や執着といったようなものを抱けるようになるものだと思うのです。
私は自分の力不足で助けることもできずに潰されていくスバルの傍らで号泣したことは一度や二度じゃありません。五条さんだってそのための努力を続けて来られたじゃないですか。なにを今さら・・・(笑)。
糾弾すべきは、こういう間違いだらけのふざけた記事を書くメディアです。
未来派クーペ「アルシオーネ」 スバルのこだわりが失敗を招いた (産経West)
書き出しの一文字目で頭に来ました。こんな短い記事なのに間違いだらけで、間違いを修正すると読むところが全くないという酷い記事です。車というものを何も知らないバカがアルシオーネについて語るとは一億五千万年早い(笑)。早速、文中の間違いを徹底的に論った抗議文を送りつけてやったので、どういう返事がくるのか楽しみです。