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リレーコラム#05 田代 恭崇さん「自転車のルールは親が教える必要がある」

常に勝利を求める厳しい自転車競技の世界から、一転、楽しさを求めるサイクリングの世界へ。オリンピックの大舞台での経験を生かし、現在は多くの人に自転車に乗ることの楽しさを伝える田代恭崇さんの子ども時代とは――。

一度降りてから、また自転車の楽しさを思い出した

大学時代から本格的に自転車競技をはじめ、卒業と同時にプロに転向。全日本選手権での優勝など国内レースだけではなく、ヨーロッパにも進出。国内外のレースで活躍した田代恭崇さん。2004年にはアテネオリンピックにも出場し、10年以上トップレベルで走り続けていた彼が引退したのは2007年のとき。
「自転車に乗りすぎたな、もう走らなくてもいいかな、と思ったのが引退の理由です。ヨーロッパも走りましたし、走った距離を計算すると年間地球一周分は簡単に超えていました。自転車からしばらく離れたいと思っていました」

そんな田代さんが再び自転車に乗る楽しさを感じたのは、引退後しばらくして出場したアマチュアレース「オートルート・アルプス2013」に出場したことから。この大会はスイス・ジュネーブをスタートし、7日間をかけて886㎞を走りぬくステージレース。獲得標高は2万m以上にも及ぶ過酷すぎる大会として有名だ。

引退して会社員になったことで、まったくトレーニングを行っておらず、ほとんどゼロからトレーニングをスタートしたという。
「『日本人初めての完走」を目指してチームが結成されて、遊びではあるんですが、かなり本気度の高いプロジェクトに参加させてもらいました。しかも元選手は自分一人。いつの間にか完走だけではなく結果も求められていて(笑)。仕事が終わる17時からトレーニングを始めて19時まで、半年間練習を行いました」
大会中はさまざまなトラブルを乗り越えて、結果は見事に完走。総合順位は上位にランクし「求められた結果」は得られたが、結果以上のものを得た大会だったという。

「学生時代は自転車部に所属していて、ツーリングで北海道にも行きましたし、仕事ではない自転車に改めて触れることができて、昔の楽しさを取り戻した感じですね。もう乗らなくていい、とすら思っていましたが、やっぱり自転車は楽しかった」

この経験が引き金になり独立。現在は自転車のツアーやプランニングを行う「リンケージサイクリング」を設立し、自転車の楽しさを伝えている。
「ツアーに参加してくれる方はほとんどが初心者です。お店がある周辺をツアーでサイクリングしますが、みんなすごくいい顔をして自転車に乗っている。クロスバイクやロードバイクのツアーを行うと、自転車に慣れていないこともあり、はじめは不安そうな顔をしていても、乗り方を教えることができれば、恐怖感もなく楽しんでもらえるようになります」

今でこそ初心者に向けて、安全に乗ることをレクチャーしている田代さんだが、子どものころはルールに関しては「めちゃくちゃ」だったという。

「時代のせいにはしたくないですが・・・。自転車の交通ルールを教えてもらうような時代ではなくて。特に小学生のころはあまり安全な乗り方はしてなかったと思います。でもだからこそ、これからは自分のツアーなどを通じて交通ルールも含めて安全な乗り方などを教えていきたい」

安全な乗り方がわかれば、自転車は楽しい乗り物

「自転車は自分の力で遠くまで行ける乗り物です。遠くまで行けばいろいろな景色が見えますし、体力がつくともっと素晴らしい景色に出会えることができます。小さい頃にこんな体験をしてもらいたいと思いますが、同時に危険なものだということも知っていてほしいですね。子どものころはその危険さに気がついていませんでしたが、大きなケガもなく大人になりました。でもそれは本当に運が良かったからだと思います。

『信号は守る』
『交差点は一時停止する』
『車道は左側を走る』
などの基本的なルールは親からしか伝えることができないと思います。しっかり守れるようになるまで、親が言って聞かせて、手本を見せることを繰り返すしかないと思います。

残念ながら私の子どもは自転車にあまり乗りたがらないのですが(笑)。いつか乗り始めることがあったら、しっかり教えてあげたいと思います」

●田代恭崇(たしろ やすたか)
サイクリングプランナー、1974年東京生まれ。大学時代よりロードレースを始め、卒業後プロに転身。2004年のアテネ五輪に出場するなど国内外のレースで活躍。選手引退後の14年、サイクリングの魅力を伝えるため「リンケージサイクリング」を立ち上げ(「、」または、「て」になりますか?)さまざまなサイクリング事業を手掛ける。

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