ここ数年、キャンプが流行しています。キャンプを愉しむ理由は様々だと思いますが、大切な人と大切な時間を過ごしたり、日常の忙しい生活から距離を置き心と身体を整えるところに魅力があるのではないかと思います。今回は、キャンプにクルマと自転車をプラスした「3 in 1 キャンプ」の愉しみ方を紹介していきます(全3回)。
クルマ+キャンプ+自転車。3つの趣味を一度に愉しむ“3 in 1キャンプ” その1 準備編

3つの趣味をひとつにまとめたキャンプスタイル

自然の中に身を置いて様々なアクティビティを愉しむキャンプは昔から趣味として確立されていますが、最近は、初心者の方でも始めやすい快適なキャンプスタイルが流行しています。
景色がいいキャンプ場でテント、タープ、テーブルを並べて、スマホを片手に読書をしたり、コーヒーを煎れたり、仲間と焚き火を囲んで語らったり、美味しいご飯を食べたり、お酒を飲んだり。普段の生活に近い形で過ごすスタイルが主流になっています。これは、キャンプ場の設備やキャンプ道具が初心者でも使いやすく充実してきたことに加え、インターネットやスマートフォンの普及により必要な情報が誰でも手に入れやすくなったことで新たに趣味として始めた方が増えたことも理由であると思います。

ただし、問題は時間です。忙しい毎日を送っている人がドライブもキャンプも自転車もすべて愉しむのはなかなか難しいもの。
今回は、そんな限られた時間で3つすべてをギュッと凝縮して愉しむ“3 in 1キャンプ”をご紹介します。
『出掛けやすいこと』を考えた道具の準備

3 in 1キャンプに必要な物は、クルマ、キャンプ道具、自転車の3つですが、道具が大きく重たいと準備に苦労してしまいますので、今回は出掛けやすく、手軽にすることを心がけてご紹介します。
まず自転車ですが、荷物と一緒にしてもコンパクトに車内に入れることができる折りたたみ式をおススメします。特にこの「Birdy」のようにオフロードタイヤを履いたホイールの小さいタイプの自転車はキャンプ場内はもちろん、周辺を移動する足としても使えるのですごく便利です。

今回使用する道具をカーゴルームに搭載した状態(車両はフォレスター)

広げるとこの状態。※キャンプ道具は次回ご説明します。
最近は軽量コンパクトな道具を使った“ソロキャンプ”が流行しています。個人はもちろん、多人数で集まっても程よくプライバシーを確保することができるので人気となっています。キャンプ道具でかさばるテントも、今回は軽量コンパクトで収納しやすい山岳用をご紹介します。それ以外の道具(椅子、テーブル、食器類、ナイフなど)は、いきなりそろえるのではなく、まず、現在家にある物を使ってあとから必要なものを買い足していくことをお勧めします。加えて、作業用のヘッドライトの準備もおススメします。これは、夜間の作業時にスマートフォンの明かりでは両手を自由に使うことが出来ないためです。
キャンプ場はネット、ロケーションはGoogle MAPで調べる

自転車も楽しめるキャンプ場探しはネットで事前に行います。近隣の名所やサイクリングコース、キャンプ場の設備(電源やWi-Fi、ウォシュレット付トイレ、レンタル品など)などをネットやGoogleマップで調べて決めるのがよいでしょう。
今回のロケは海が見える千葉県のキャンプ場を選びました。クルマを海の近くまで乗っていくことが出来て、繰り返し波の音を聴きながら眠るのもなかなか気持ちいいのではないかと思ったからです。
テント設営&撤収は慣れることが一番大事
キャンピングに必要な技術は難しいものではなく、大事なのは慣れること。買ったテントを初心者がいきなりキャンプ場で設営するのは大変です。出かける前に試し張りを何度かして、手順に慣れておきましょう。練習した分だけ短時間で苦労しない設営の仕方が身につきます。

今回ご紹介する山岳用のテントは、コンパクトで軽く、一人で簡単に設営しやすいので汎用性が高く、登山や自転車だけのキャンプツーリングにも使える点がおススメです。ファミリーテントの場合は収納時に大きくなること、設営に手間がかかるので組み立てや収納時の大きさを事前にチェックしておいてください。
テントの固定は、ペグ(金属やプラスチックの棒)を地面に打ち風で飛ばされないようにします。さらにガイラインというロープを張ることで更にテントは安定します。ペグの角度は地面に対して60°〜90°くらいと言われていますが、これらも色々とやってみて、風に飛ばされないようにトライしてみる方が良いと思います。
料理が得意でない人はやらなくてもいい

食事に関しては、料理へのこだわりに合わせて準備すればいいと思います。お湯を沸かしてレトルト食品やカップ麺を食べるだけでも普段と異なる自然の中では十分美味しいと感じられると思います。キャンプ用の道具では、ツーバーナーと呼ばれる2口のコンロがありますが、コンパクトとは言いづらい大きさなので、今回は軽量で1品料理をさっと作るのに最適なシングルバーナーをご紹介します。
今回ロケに登場頂いた山下さんですが、コーヒーにこだわりをお持ちです。美味しい豆を買って手挽きし、コーヒーを楽しめるセット(アウトドア用チェア、テーブル、カップなど)をバッグに入れて、クルマでは入れないお気に入りの場所に自分だけのカフェを作って、自転車の長所を最大限に活かしながら最高の一杯を愉しんでいらっしゃるそうです。

クルマで走りたい道、自転車で走りたい道、キャンプでのんびりする時間と3つを組み合わせてやることは、非常に贅沢な時間の使い方だと思いませんか?
次回からは実際にその旅に出かけてみましょう!

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ナビゲーター/山下晃和さん
スポーツ、ファッションのモデルのほか、国内外を旅する自転車冒険家の肩書ももつ。自転車とキャンプのイベント「BIKE&CAMP」を主催するなど、キャンプなどアウトドアにも造詣が深い。