ゆっくり曲がれば安全は間違い!
今回、サイクルスクールに参加した日向さんは、スポーツバイク歴も10年を超えるベテランです。全国各地のヒルクライムレースやロングライドイベントでゲストライダーを務め、各種メディアで活躍されています。それでも、長年抱えていた悩みがあったと言います。
日向さん 「もともとサイクリングが好きでロードバイクをはじめ、同時にヒルクライムレースに参加するようになりました。ヒルクライムでは満足いく結果も出せるようになる一方で、コーナーリングに対する苦手意識をずっと持っていました」
ヒルクライムは速くても、バイクコントロールに苦手意識があったようです。ヒルクライムは、高速で走り抜けるようなコーナーや、テクニカルな集団走行などがないため、バイクコントロールスキルがなくても楽しめてしまう面があるのも事実です。
日向さん 「ヒルクライムのあとの下りでは、曲がり切れないようなスピードで走ることはほとんどありませんし、タイトなコーナーではゆっくり走れば安全でしょと思っている部分がありました」
今回の日向さんのように、長くスポーツ自転車に乗っていても、バイクコントロールに苦手を持っているサイクリストは多いはずです。ゆっくり下れば安全と言うのは正解です。ただし、その前提として、バイクを確実にコントロールできるスキルを身につけることが大事であることは言うまでもありません。
長年、コーナーリングに苦手意識を持っていた日向さん
今回、日向さんが参加したサイクルスクールでは、どのようなことが行われているのでしょうか。サイクルスクールを主宰するスマートコーチング代表の安藤隼人さんにお話を伺いました。
安藤コーチ 「自動車教習所の敷地をお借りして、サイクリストが実践を通して確実に安全に自転車の走行スキルを学べるスクールになっています。参加者は、ロードバイクを買ったばかりで走り方を知りたい人から、普段レースイベントに参加していてレベルを上げたい人まで幅広くいらっしゃいます。自転車の重心を掴む、ブレーキングといった基本スキルから、集団走行スキルまでレベル別に参加クラスを分けています。各クラス、経験豊富なコーチがレクチャーしてくれます」
自動車教習所内を貸し切っての開催は、安全な環境で実践トレーニングを積むことができる
安藤さん主催のサイクルスクールが初めて開催されたのは5年前のこと。これまで25回以上開催されてきた。参加者のレベルは幅広く、女性の割合が多いことに日向さんも驚いていました。
日向さん 「自転車イベントでは女性は1割ほどしかいませんが、このスクールは3割ほどが女性サイクリストで、その多さに驚きました。また、クロスバイクで参加している人もいたり、私のようにスキルをイチからきちんと学び直したいと言う人にもオススメできます」
レベルを問わず、女性サイクリストたちの学ぶ意欲は高かった