日常を離れて自然の中に身を置く。非日常的な体験、不便を愉しむことができることから、キャンプがブームになっている。今回はキャンプスタイルのひとつ、ソロキャンプと自転車を組み合わせた楽しみ方を紹介します。
SUBARUでアウトドア遊び。最小限の装備と自転車で愉しむお手軽ソロキャンプ「道志みち編」

SUBARUで自転車×ソロキャンプを愉しむ

2022年現在、空前のキャンプブームと言われているのはご存じのとおり。ファミリーで行くキャンプ、グランピングなどさまざまなスタイルが人気ですが、今、ひとりでキャンプを愉しむ「ソロキャンプ」に注目が集まっています。
ソロキャンプとは、その言葉どおりですが、ひとりで行うキャンプのこと。自分好みのキャンプ道具を持って、好きな場所で、好きなものを食べて・・・もちろん、ルールやマナーを守る必要はありますが、可能な限り自由に非日常体験をできることが人気を集めている要因のひとつだと考えられます。

自転車にキャンプに必要な荷物を積んで行うものも人気ですが、今回はより手軽にできるクルマを使ったキャンプに出かけます。
クルマにキャンプ道具を積むので・・・
1.身軽な状態のまま自転車で走れる
2.キャンプ道具を軽量化しなくてもOK
というメリットがあり、ライドをとキャンプの良いとこどりができます。
キャンプ地としたのは、多くのキャンパーに人気の道志村。この地域のキャンプ場を自転車の出発点に、山中湖に向かって続く「道志みち」を走り、山中湖を一周してキャンプの醍醐味、たき火を愉しむことにします。

この道志みちは山中湖に向かって、アップダウンを繰り返しながら上っていくルートです。信号も少ないため、自転車乗りに人気のコースとして知られています。また東京オリンピックのロードレースのコースになったこともあり、さらに注目されるようになりました。道沿いにはオリンピックのコースになったことが分かるサインボードが随所に設置されています。

さて、まずは自転車とキャンプ道具を降ろして、キャンプベースを整えます。

クルマを使ったオートキャンプのためたくさんキャンプ道具を運べるのですが、今回、荷物は本当に最小限にしました。使用する荷物を減らすことで設営時間を短くして、走る時間などを長く伸ばすことができるからです。

荷物は本当に最小限にはしましたが、キャンプの醍醐味である"たき火"は愉しみたいので、たき火台と薪を準備しました。素早く準備して出発します。

道志みちは、山あいの田園景色に加え、道志川沿いののどかな情景を眺めつつ走れるルートです。

ちょうど木々が色づく時期。赤や黄色、すっかり秋めいた色の中を走ります。

道志みちは全長約40㎞、すべて走ると獲得標高1000mというなかなか走りごたえのあるルート。しかし今回は途中の道志村から走り始めるので、獲得標高は大体400mくらい。さらに全行程50㎞くらいなので、キャンプも愉しむのであまり走りすぎない、疲れすぎない、自分にとってはちょうどいい距離感だと思います。

スタートから15㎞ほど走ったところで富士山が見えてきました。上りが続いた中ではご褒美にも思える景色! 道志みちは道幅は狭いものの、ナビラインがあるのでここまで、比較的安心して走ることができました。しかも信号がないのでかなり走りやすく、あっという間の15㎞といった感じです。
美しい紅葉のトンネルを走る

富士山が見えてからあっという間。山中湖の北側に到着です。こちら側はサイクリングロードが整備されているので、かなり走りやすくなっています。サイクリングロードを覆うように紅葉のトンネルが形作られていて、その中をゆっくり進みます。

まさに山中湖は紅葉の名所。真っ赤に色づいたカエデが青空に映えますね。ちなみに山中湖は富士山の一部として、世界遺産に登録されているほか、標高980mは3番目に高所にある湖になっています。

これは絶景! 雲もなく山頂から麓までクリアに富士の姿を臨むことができました。空気が澄んでいるこの時期にしか見られない光景。富士の姿を左手に感じながら、そのままぐるっと一周します。

ちょうど対岸にあたる富士山側は、ウッドデッキが整備されおしゃれな雰囲気の中走ることが可能。

南側はさらに紅葉が見ごろでした。落ち葉の絨毯の上、サクサクという音を聞きながら走れるのはこの季節だけ。いつも以上にのんびりとサイクリングを楽しみました。本当はもうちょっと走りたいところでしたが、この辺にしてキャンプ場に戻ります。帰りは下り基調なので、行きよりもスムーズでした。
温泉でひと汗流してキャンプの準備

道志を選んだのはもうひとつ理由がありまして、周辺に入浴施設が充実しているところがポイントです。夏場に比べると汗の量は少ないですが、汗を流してすっきりした状態でキャンプモードに入りたいので、もしキャンプ×自転車ライドを行いたい場合は、入浴施設もチェックしておくことをオススメします。

さて入浴してさっぱりしたところで、早速たき火タイムに突入します。キャンプ場によりますが、地面で直接火をおこすことを禁止しているところもあるので、たき火台は準備したほうがいいでしょう。

たき火に照らされた自転車を眺める。至福の時間です。自室保管の自転車を眺めているだけで愉しい、そんな自転車乗りの人も多いとは思いますが、それを上回る"自然のライティング"で体験できます。
キャンプはキャンプ、自転車は自転車で愉しんでいる人は多いと思います。両方を愉しむためには、両方の準備が必要なのでなかなか大変なのですが、工夫をすれば比較的手軽にできます。さらにソロキャンプにすれば、より気軽に愉しむことが可能です。
自転車とキャンプ、どちらも自然の中、自由に楽しめるものなので相性はバツグン。興味のある人はぜひソロキャンプ&ソロライドにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
- ●取材/今 雄飛