SUBARU CYCLE FAN CLUB

スバリストなサイクルライフ

今から32年前の1990年。宇都宮で開催されたロード世界選手権。フランスチームの監督であった英雄ベルナール・イノー(ツールドフランス5勝のレジェンド)はチームカーのハンドルを握っていた。そして、セダンタイプのレガシィが自転車レースが好きだった当時26歳の青年の前を風のように駆け抜けていった。さらに、当時の日本のタレントが揃ったチームボスコも、滋賀SUBARUからチームカラーのレガシィのサポートを受けて参戦していた。
「レースが大好きだったので、宇都宮の世界選手権も現地に応援に行きました。振り返れば、当時からサイクリストにSUBARUは近い存在でした。また、ちょうどステーションワゴンタイプのレガシィが社会的に大ヒットした時代でした。私の中でSUBARUと自転車の記憶はあの頃から刻まれています」

そう当時を振り返るのは、長年スポーツ自転車を趣味にしながら、現在もヒルクライムレースを中心に楽しんでいる岡部秀克さん。現在(2022年)58歳で、週末は欠かさず自転車に乗り、埼玉の物見山や奥武蔵、白石峠などにも走りいく生粋のアマチュアサイクリストだ。そして、スバリスト歴は30年を迎え、現在の愛車はレガシィと同じステーションワゴンタイプの新型レヴォーグSTI Sport EX。ボディカラーはスバルファンにはお馴染みのWRブルー。そして、4台のLOOKのロードバイクがルーフキャリアの上で存在感を放つ。

岡部さんがスバリストになったのは28歳のとき、1992年だった。1989年に誕生した初代レガシィツーリングワゴン(BF型・ブライトン2.0)を中古で手にした。「レガシィが登場する以前のワゴンタイプといえば、いかにもなバンスタイルしかありませんでした。それがレガシィを見た瞬間に、これほど後ろからの見た目がカッコイイモデルはないと! リアハッチの緩やかな曲線を描いたスタイリングに魅了されました」

初代レガシィを7年乗ったあと、3代目レガシィのBH型へ乗り換え9年間で10万キロ。さらにSUBARU初のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞した4代目レガシィ(BP型)に乗り継ぎスバリストの道を歩んでいく。その後、レガシィツーリングワゴンの後継車であるレヴォーグ(VM型)には7年間乗り、2020年に新型レヴォーグが発表されると、真っ先に購入して今に至る。岡部さんは、レガシィの歴史と同じ30年間に渡り5台(正確にはR2を含めると6台)のスバル車を乗り継いできた。まさに生粋のスバリストである。

岡部さん自身通算3台目のレガシィとなったBP型(左)と通算4台目となった初代レヴォーグ(右)

通算4台目となった初代レヴォーグ(右)と通算5台目の新型レヴォーグ

「当時、レガシィに決めた理由は、趣味の自転車を運びやすいという点と、スタイリッシュなバンタイプだったためです。レガシィツーリングワゴンが火付けになって、世の中的にもステーションワゴンブームが到来していました。当時勤めていた会社の社用車で他ブランドのステーションワゴンも乗っていましたが、やはりスバル車は水平対抗エンジンはじめ、クルマとしての根幹がしっかりしていて、捻り剛性があり低速でも高速でも挙動が安定している印象です。また、安全運転をサポートしてくれるアイサイトは当然素晴らしいですけど、個人的には広い視野が確保されていて運転しやすいところも好きです」

ドライビングポジションからの視界の広さが魅力のひとつ

現在の愛車であるレヴォーグSTI Sport EXは、購入時点での最高スペックを搭載したフラッグシップモデルだ。ルーフには純正オプションパーツのTHULE(スーリー)サイクルキャリアを搭載し、ロードバイクはいずれも人気のフレンチロードバイクLOOKだ。実は、岡部さんの現在のお仕事はLOOKの輸入業務だ。
「SUBARUさんのサイクルスポーツ業界への貢献は大きいですが、業界にいるからスバル一筋というわけでなく、自分がよいクルマだと感じているから乗り続けているだけなんです。仕事柄、以前にジャパンカップのチームカーに乗る経験もありましたが、峠のワインディングを100km近い速度でも安定して走れるのはレヴォーグだからでしょう」

STI仕様のレヴォーグSTI Sport EX

車線逸脱抑制、定速クルーズコントロールなどドライバー負荷を軽減してくれる高度運転支援シス テム「アイサイトX」

11.6インチの大型センターインフォメーションディスプレイを搭載

STIスポーツEXグレードは、ドライブモードを5つからセレクトでき、さらに細かくチューニング可能

仕事では全国のサイクルショップを訪問したり、シーズン中は毎週末のように各地のイベントに駆けつけブースを出展するなど日本中を駆け巡る。愛車のレヴォーグに試乗車となるLOOKバイクやLOOKペダル、さらにブース出展のためのテントなどを満載にする。
「コロナ禍になり通勤もクルマになり毎日の通勤の足にもなっていますが、出張は長距離移動が多いです。九州のショップさんを訪問するときは東京から大阪まで500キロほど走り、そこからフェリーを乗り継いでも往復で1500キロほどは走ります。大好きな長野県の乗鞍ヒルクライムレースも片道300キロ以上ありますけど、運転支援システムのアイサイトを使えば本当に楽にドライブができます。ブース出展は一日中立ち仕事なので、運転中に足が楽できるのはとても助かっています」

ルーフに最大4台積載してもスマートな佇まいをみせる

SUBARU純正パーツのTHULEのサイクルキャリア。ベースバーは10年以上使い続けているという

元々、自転車を乗せて移動することを考えて選んだステーションワゴンタイプ。岡部さんはルーフにバイクを載せるスタイルを基本としつつ、カーゴルームへバイクを積み込むこともある。「レヴォーグはレガシィを踏襲しているので、カーゴの広さが魅力です。前輪も外すことなくバイク1台をそのまま積めますし、仕事で使用する長尺のテントも積むことができます。また、普段から工具ケースやフロアポンプ、メンテナススタンド、スペアホイールなど自転車関連のアイテムも多く積んでいます」
このようにカーゴルームが広いワゴンタイプのレヴォーグだからできることは多い。

洗車用具一式を積んでおき、ライド後、出先で洗車をしてから帰宅するようにしている

ルーフへの自転車の積み下ろしもストレスないレヴォーグの車高

MAKITAの充電式空気入れは、ロードバイクだけでなくクルマの適正空気圧チェックにも活用

岡部さんがスポーツ自転車の世界に出会ったのは高校生の時だった。知人が乗っていたランドナー(TOEI)の美しさに憧れて、岡部さんもブリヂストンのダイヤモンドツーリングというツーリング車を手にしてスポーツバイクの世界へ入っていった。ブリヂストンサイクルに就職し自転車を仕事にすると、その後転職した総合輸入商社で扱っていたLOOKのバイクの輸入を担当することになった。運命だった。そして、現在はLOOKの輸入代理店であるユーロスポーツインテグレーションでフランス本国と日本の橋渡しをしている。

ヒルクライムレースで年代別表彰台という目標に向けて走り続ける岡部さん

岡部さんは根っからの自転車好きだ。愛車のLOOKを駆り10代のころと変わらずサイクルライフを楽しんでいる。自らを坂バカと笑い、ヒルクライムレースに向けてトレーニングに励む日々だ。「富士山と乗鞍のヒルクライムレースを年間の最大の目標にしています。努力しただけ結果につながりやすく、自分自身の目標タイムを設定してチャレンジできるのでやり難いがあります。さすがに12年前、46歳の時に出した自己ベスト(乗鞍ヒルクライム・1時間9分24秒)を更新するのは難しいかもしれませんが、年代別で表彰台に上がるまではやめられないです。(表彰台の)下からでなく上からの景色を見たいですね。最近はもっぱら峠を走って、ストラバのランキングを上げることがモチベーションになっています」

Mt.富士ヒルクライムと乗鞍ヒルクライムは必須レースだ

岡部さんにはクルマと自転車に対する信条がある。それは、自らが仕事で売るバイクを大事にして、しっかり乗ることだ。ヒルクライムレースでは785ヒュエズRS、その他のシーンでは高速巡航に優れる795ブレードRSを好んで乗る。
「自分自分が真剣に乗って、身をもってバイクを理解してお客さんに届けることを大切にしています。それ以上に、自分が売っている商品をちゃんと愛してあげて愛着を持ちたい。レヴォーグも自分がよいと思って乗っているわけで、世界で一番かっこいい! そう思ってハンドルを握っています」
そして、レヴォーグもLOOKも、常に最高のコンディションをキープすることを心がける。ロードバイクのタイヤの空気圧はもちろん、レヴォーグのタイヤの空気圧もこまめにチェック。そして、毎回サイクリングを終えたら、帰宅する前に現地で洗車を終えてからレヴォーグに積み込む。それが愛車を大事にする岡部さんのルーティンだ。

カーボンバイク初のツール制覇を果たした「KG86」はじめ数々の名作を生み出し、バイクだけでなくビンディングペダルの元祖としても知られるLOOK

レガシィに憧れた当時20代の青年は、30年以上たった今も大好きなSUBARUとLOOKに囲まれながら人生を楽しんでいる。そこには大切な相棒への大いなる愛情と、生涯の趣味であるヒルクライムレースへのあふれる情熱があったのだった。

車両ナンバー「785」。LOOK 785ヒュエズRSの785に同じ。先の写真で紹介した岡部さんの歴代レガシィ、レヴォーグの車体ナンバーは「595」と「795」。こちらも歴代モデルのLOOK595、現行モデルのLOOK795ブレードRSディスクの数字である。

TEXT&PHOTO

ハシケン(橋本謙司)

自転車業界のメディアの立場として活動を続けて15年になるフリーランスの自転車ジャーナリスト。映像と写真と文字で伝えることが専門。専門誌やウェブメディアにて連載をもち、スポーツ自転車の情報を広く発信。e-Mobility協会スペシャルパートナー。日本各地のサイクルツーリズム振興施策、リアルイベントの企画・広報などにも携わる。乗鞍・冷泉小屋スタッフ。過去にMt.富士ヒルクライム一般の部優勝など、自身もアマチュアレースを走り続ける。
https://www.hashikenbase.com

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