SUBARU CYCLE FAN CLUB

スバリストなサイクルライフ

震災の翌年から始まったツールド三陸。石井さんの想いが形になって、毎年多くの仲間たちが陸前高田を訪れる(写真提供/ツールド三陸実行委員会)

風光明媚な東北の地をサイクリストたちが駆けるサイクリングイベントがある。岩手県陸前高田市を会場に三陸海岸を走る「ツールド三陸」。東日本大震災の翌年にはじまり、東北の人々にも参加者にも愛されている年に1度の恒例イベントだ。
遡ること、震災直後の2011年夏。「会社のプロジェクトで医療従事者を連れて東北各地を一夏で廻るキャラバンに帯同しました。テレビで観る被災地と現実に違いを覚え、もっと多くの人に現状を見てもらって感じてほしいという思いが湧き上がっていました」と、当時を回想するのは都内の広告代理店に勤める石井淳さん。サイクリストでもあり、スバル車を通算5台乗り継いでいるスバリストでもある。

愛車は初代アルテグラDi2(電動シフター)を搭載したFOCUSのイザルコ

「今の自分の仕事、趣味、持っているもので何か復興の手伝いができないだろうか・・・」 思いを強くしていた石井さんは、ちょうど会社で新たな復興支援プロジェクトの企画立案の機会を得た。48歳の時に趣味ではじめたロードバイクにハマって3年目だった。
「趣味の自転車が役に立たないだろうか。あえて自転車で被災地を巡ることで、現状を知ってもらえるのでは。そうすることで、毎年足を運んでくれて持続的な支援につながるのでは・・・」陸前高田に何度も足を運び、所属しているサイクリングクラブの仲間の力も借りて、震災復興サイクリングイベント「ツールド三陸」は誕生した。気軽に始めたばかりの趣味のロードバイクが、思わぬ形で役に立つことになった。

石井さん自身2台目のSUBARU車となったGT-VDC。愛娘の成長は歴代SUBARU車と共にある

そんな石井さんは今年でスバリスト歴26年目。はじめてのSUBARU車は、当時人気を博したステーションワゴンタイプのレガシィツーリングワゴンだった。
「はじめてのSUBARU車は、取引先というご縁もありました。水平対向エンジンなどちょっと個性的なブランドイメージを持っていましたが、乗ってみると走りが素晴らしくて! アウトドアにハマっていた当時、レガシィに乗ってほぼ毎週末どこかへ出掛けていました」
石井さんがレガシィ(250T・BG9型)を手にしたのは1996年のこと。1990年年代はアウトドアブームが到来していた。
「ちょうど娘が誕生して1年後だったこともあり、週末は家族でレガシィと共に過ごす時間が多かったです。よくデイキャンプをしたり、スキー旅行に出かけたり。奥さんの実家がある仙台まで東京と往復800kmもレガシィ。家族がいて荷物が多いと、やっぱりクルマが楽です。どこへ行くにしもてもレガシィでした」
そして、レガシィには、一度乗ると他のクルマには乗れなくなってしまう絶対的な走行安定性があるという。
「AWD(四輪駆動)ということもあって、4つの足で地面を掴んで走っている感覚があって、走行安定性が他のメーカーとは違います。そもそものグレードも異なりますけど、地方で他ブランドのレンタカーを乗ると、乗っている同乗者の家族も普段乗っているSUBARU車の安心感を喜んでいました」

レガシィを4年乗った後、次のクルマもレガシィだった。レガシィ2.0 GT-VDC(BH5型)は、はじめてのターボエンジン搭載モデル。
「当時のフラッグシップで、馬力もありましたけどとにかく加速感に痺れました。また、低重心で安定した走行性能からくる安心感は大きかったです。なので、乗り換え時は他のクルマも気にはなりますけど、結局のところ検討には至らないですね(笑)」
すっかりレガシィの走りに虜になった石井さんは、その後もSUBAUR車を乗り継いでいく。

石井さん自身3台目になったレガシィ OUTBACK 2.5(左)と初代レヴォーグことレヴォーグ 1.6 STI Sport EyeSight(右)

石井さんにとって3台目となったSUBARU車は、2005年に購入したレガシィ アウトバック2.5(BP9型)。当時の趣味はもっぱら釣りとゴルフだった。
「ちょうど釣りにハマっていました。相模湖でわかさぎ釣り、西湖でヒメマス釣りなど。湖畔までクルマで乗り付けるので、馬力があって車高が高めのアウトバックは最高でした。デイキャンプで山奥に入る時も、エンジンのトルクに厚い感じがあってダートを気にせずガンガン走っていける」
カーゴルームも広く、竿など釣り用具も余裕で積み込めた。またゴルフバックも積み込んで、よく仕事関係の知人らとゴルフにも出掛けた。サンデードライバーの石井さんにとってSUBARU車は趣味を楽しむ相棒だ。

ボディカラーはレッド。シルバーやホワイトではなく個性的で目立ちやすいカラーリングが好みだ

アウトバックを購入した翌年、スポーツ自転車に出会う。2008年に、ゴルフ仲間で高校の友人に紹介されてクロスバイクを手にし、多摩川サイクリングロードをよく走るようになる。
「はじめてスポーツ自転車に乗った時の、あの軽快に風を切って走れる魅力にハマっていました。でも、多摩川を走っているとなぜか同じ自転車に抜かれるんですよ。翌年にはロードバイクを買ってました」と笑う。

2009年にロードバイクに乗り換えると、数年後にはサイクルイベントにも数多く参加。中でも「Mt.富士ヒルクライム」(富士山を駆け上がる国内最大のヒルクライムレース)と佐渡ロングライド210(佐渡を1周する最長210kmのロングライド)は恒例行事と位置付ける。そして、もうひとつの大切なイベントが、石井さんの想いが形になったツールド三陸だ。2022年は期間型のフリーライドイベントとして通算11回目の開催を無事に終えた。毎年参加して被災地を訪れてくれる参加者が多くいる。そして、イベント運営に手を差し伸べてくれる仲間もいる。現在、石井さんもひとりのボランティアスタッフとして大会を陰で支えている。

ツールド三陸をきっかけにサイクリストの輪が広がった

2022年、仲間たちと佐渡ロングライド210に参加

Mt. 富士ヒルクライムは前夜の宴会も含めて仲間たちと過ごす楽しいひととき

レガシィ2台、アウトバック、そしてレヴォーグを2台。合計5台のSUBARU車を乗り継いできた石井さんは、現在の愛車であるレヴォーグ STI Sport EX にはどのような印象を持っているのだろうか。
「佐渡ロングライドは往復で800kmのロングドライブでしたが、レヴォーグはアイサイトX によって安全かつ楽にドライブができます。極論ですけど、高速道路ではシートに座っているだけで目的地に到着できます。料金所の手前やカーブでは減速してくれ、前方車に合わせて車間距離を一定に保ちながら走ってくれるから本当にドライバーは楽です。また、佐渡は4人4台のフル積載でしたけど、走りに重さや無理を感じることはありませんでした。レヴォーグは前に乗っていたアウトバックとはまた違って俊敏なスポーティな走りに魅了されています。ついついアクセルを踏みたくなるクルマです」

レヴォーグにはルーフキャリアは付けず、自転車はカーゴルームに積み込むスタイル。仲間4人で参加した佐渡ロングライドは、リアシートは立てた状態でカーゴルームに自転車4台を積載した。「カーゴルームに4台いけます。意外と積めますよ! タイヤハウスがカーゴルームのスペースをほとんど潰していないためでしょう。ちなみに、カーゴフロアボードの下のスペース(大型サブトランク)もお気に入りです。図ったようにホイールを収納できますよ」と、サイクリストならではの活用もしている。

カーゴルームへロードバイクをそのまま積み込むことができる

カーゴフロアボードの下のスペース(大型サブトランク)にホイールを収納

震災をきっかけにして仕事でも趣味でもスポーツ自転車に関わる時間が多くなっていった。ツールド三陸にはじまり、同県で生まれた大槌新山ヒルクライムイベントの立ち上げ、健常者と障害者の共生をめざすパラサイクリングイベントの開催にも尽力。現在も未来のサイクルイベント構想に携わり、愛車のレヴォーグやロードバイクで現場を回る日々。仕事と趣味の境界線のない人生を愉しんでいる。
「仕事でも自転車に乗ることが多いですが、休日目を覚まして晴れていたら、ふらっと一人でロングライドに出かけます。海を見に逗子まで往復120km走ったり、100km以下なら大垂水峠(東京と神奈川の境)まで行って帰ってくる往復80kmライドがマイルートです」仲間たちとワイワイ楽しむイベント参加も大好きだが、仕事の気分転換にマイペースで気楽にロングライドをする時間も大切な時間だ。

2022年でスバリスト歴は26年、じつに四半世紀を超えた。最初のレガシィを手にした当時は1歳だった愛娘。幼少期は、レガシィに乗って毎週のように家族でデイキャンプを楽しんだ。今年はレヴォーグに乗って立派に社会人になった愛娘と奥様と家族で潮干狩りに出かけた。夏には娘とふたりで白ギス釣りに。終わった後は、娘を勤務先の大阪まで運ぶ父娘のドライブを楽しみ、その足で琵琶湖をサイクリング。
デイキャンプ、スキー、ゴルフ、釣り、スポーツ自転車、そして潮干狩り。5台の愛車たちは石井家のアルバムの中心にい続ける。これからも、きっと。

今年の夏には愛娘と一緒に潮干狩りを楽しんだ

愛娘を大阪へ送ってから、ひとりで琵琶湖をサイクリング

TEXT&PHOTO

ハシケン(橋本謙司)

自転車業界のメディアの立場として活動を続けて15年になるフリーランスの自転車ジャーナリスト。映像と写真と文字で伝えることが専門。専門誌やウェブメディアにて連載をもち、スポーツ自転車の情報を広く発信。e-Mobility協会スペシャルパートナー。日本各地のサイクルツーリズム振興施策、リアルイベントの企画・広報などにも携わる。乗鞍・冷泉小屋スタッフ。過去にMt.富士ヒルクライム一般の部優勝など、自身もアマチュアレースを走り続ける。
https://www.hashikenbase.com

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