星空早見盤をつかって「すばる(プレアデス星団)」を見つけられたでしょうか。肉眼で見つけられるようになったら、こんどはぜひ双眼鏡で覗いてみましょう。「星のお話」でも学んだ若い星々がまたたく※散開星団(さんかいせいだん)の美しい光景に出会えるはずです。
しかし、ひとくちに「双眼鏡」といってもいろんな種類があります。そこで今回は星空観賞に適した双眼鏡の選び方をご紹介していきましょう。
※散開星団とは[星のお話し Vol.02 天の川に浮かぶ散開星団]
星空観賞といえば天体望遠鏡を連想しがちかもしれませんが、じつは初心者から上級者まで多くの天文ファンが双眼鏡を利用しています。
双眼鏡は見えている星空の範囲が広いので、探している天体を簡単に見つけられます。そのため、初心者でも、星空を楽しむことが可能です。
アイテム | 特 徴 | 向いている天体 | プレアデス星団の見え方 (イメージ) |
---|---|---|---|
![]() 双眼鏡 |
|
|
![]() |
![]() 天体望遠鏡 |
|
|
![]() |
天体望遠鏡のように三脚の設置や接眼レンズの装着、微調整レバーの装着が不要なのであつかいがカンタン。見たい天体をすぐに観察することができます。
②手持ちで観察できるので移動が容易。星空観賞をおこなう場所によっては、障害物などのため、移動して観察しなければならないケースもあります。基本的に手持ちであつかう双眼鏡は持ち運びにすぐれています。
双眼鏡は両目をつかう望遠鏡なので、目が疲れにくく、遠近感が把握(はあく)しやすいです。この特徴から、長い時間、動いている物体を観察するのに向いています。
つまり、スポーツ観戦、バードウォッチング、運動会の応援にもってこいなのです。
一方、天体望遠鏡は天体観測以外にはほとんど使用することができません。
望遠鏡の倍率表記例(倍率8倍で、対物レンズの口径が42mm)
ふだんから双眼鏡を使い慣れていない人は、きっと「高倍率ほど性能が高い」と思うかもしれません。
でもそれは早合点。答えを先に申し上げると、星空観賞には6〜8倍の倍率がおすすめです。
双眼鏡や望遠鏡など光学機器は、倍率が高くなるほど視野が暗く狭くなり、手ブレの影響が大きくなる性質があるからです。
すばるや天の川、月のクレーターなど星空を観るならば、10倍以下でズームのない双眼鏡をおすすめします。
星空観賞用の双眼鏡を選ぶ際にもうひとつ注意したいのが対物レンズの大きさです。
双眼鏡の大きさや重さは対物レンズの大きさで決まります。このレンズの直径(有効径といいます)が大きいと光をたくさん集めることができるので、天体を明るくシャープに観ることができます。
ただ、対物レンズが大きいと、本体のサイズも大きく重くなってしまいますので、子どもと一緒に使うなら30mm前後、大人が使うなら40〜50mm程度のものがおすすめです。
天体望遠鏡は片目で観察します。小学校低学年ぐらいだと、お子さんの中には片目でのぞく作業がむずかしい子もいます。その点、双眼鏡は両目で観察できるので小さなお子さんでも肉眼とはちがった星の世界を愉しむことができます。
どうしても双眼鏡の重さが気になる場合は、カメラ用の三脚(搭載可能重量にご注意ください)に取り付けるためのアクセサリーもあります。
使う人を選ばず、アクセサリーも充実している双眼鏡は、お子さんと一緒の星空観賞にもっとも向いているアイテムだといえるでしょう。
監修/Vixen
文/#スバコミ事務局
ここからは、すばる星空倶楽部がイチオシする双眼鏡をご紹介します。いずれもVixen社のオンラインストアや専門店などで購入できます。双眼鏡が使えると便利な場面は様々あり、天体望遠鏡を使用するときにも、双眼鏡は補助アイテムとしてとても役に立つので、ひとつ持っておくことをおすすめします。
次回は双眼鏡の使い方についてご紹介いたします。
すばるの観賞方法一覧を見る