すばる星空倶楽部

SUBARUのある星景

SUBARUのある風景

本取材はコロナウイルス感染拡大予防対策を徹底した上で実施しました。星空観賞等で外出をされる場合は、国や各地方自治体の感染拡大予防ガイドラインをご参照ください。

南の水平線をめざしてクルマを走らせる

「身近な場所で星空観賞」をご紹介している “SUBARUのある星景シリーズ” 。今回のテーマは水平線(地平線)すれすれに見える星の観賞です。

カノープスという星をご存じですか?

日本から見える星々には、北極星のようにすべての季節に一晩中見える星がある一方で、限られた季節にわずかな時間しか観賞できない星もあります。
その代表格がりゅうこつ座のα星カノープスです。シリウスの次に明るい白色の一等星ながら南方に位置するため、基本的に北緯37度より北では観測ができません。南中高度は東京で約2度、大阪で約3度。日の出日の入りのように大気の通過距離が長いため、本州では暗く赤みのある星として映ります。
しかも地表からカノープスが顔を出すのは南中前後のたった30〜40分です。南方向に山や建物など遮蔽物がある場所を避け、夜に雲の無い天候条件を満たさないと観ることができない本当にレアな星です。この希少性のため古代中国では見ると寿命が伸びる幸運の星とされていました。

カノープス

カノープスの南中時間 カノープスの南中時間

カノープスの別名、布良星(めらぼし)。

さて、このカノープス。房総半島の南部では布良星(めらぼし)という地域名があります。布良(めら)といえば千葉県南端の館山市にある海辺の地名です。布良の由来は日本の神話に遡ります。はるか昔、神様と豪族が海からこの地に上陸した際に、現地の人々から献上された麻布を「良い布」と讃えた伝説にちなんだそうです※。
今回はこの布良を訪れるとともに房総でカノープスを観賞しようと思います。それでは神話のふるさとへドライブに行ってみましょう。

※天富命(あめのとみのみこと)が阿波忌部氏(あわいんべし)を率いて布良浜に上陸したとされる平安時代に編纂された「古語拾遺」の神話。麻がふさふさと実ることから総国。入植した阿波氏から安房国の名がついたとされます。


春の陽気のなか、神話のふるさと「布良」へ。

千葉県館山市の布良に取材で訪れた日は、天候に恵まれた冬晴れでした。防寒対策を十分にしていましたが、日中は菜の花が咲く暖かな気候で、昼間は風もなく穏やかな海が広がっています。このまま夜間まで晴れを維持してくれればカノープスを観賞できる確率はかなり高くなります。

春の陽気のなか、神話のふるさと「布良」へ

布良崎神社

天気で気がかりなのは館山地域の昔話です。布良沖の水平線すれすれに出る布良星(カノープス)はしけの前兆とされていました。天気予報も方位磁石もない時代、夜の漁は命がけでした。カノープスは漁に出て帰ってこなかった仲間の魂が星になったと恐れられていましたが、のちに海が荒れる前ぶれの星として信仰に結びつき、「布良星(めらぼし)さま」と呼ばれているようです。

伝説の詳細は、南房総花海街道の動画

布良漁港 布良漁港

布良海岸
布良海岸

房総フラワーライン
房総フラワーライン


青木繁「海の幸」が描かれた布良

青木繁「海の幸」
海の幸

千葉開闢(かいびゃく)の舞台となった布良ですが、海と山に隔てられた小さな漁村のため、歴史の表舞台にはしばらく顔を出しません。布良がふたたび歴史に顔を出したのは若くして夭折した天才画家・青木繁の代表作「海の幸」によってでした。
1904(明治37)年夏、東京美術学校(東京芸大の前身)を卒業した青木は、神話を題材に扱うため画友を連れて布良を訪れています。帝国水難救済会布良救難所看守長である小谷喜録に2ヶ月近く寝食の世話になりながら、多くの作品を描きました。太古の世界から変わらぬ漁師たちの凛々しい姿を描いた代表作「海の幸」は、のちに日本ロマン派時代を飾る不朽の名作として、1967(昭和42)年に国の重要文化財の指定を受けます。
現在の布良には、当時の滞在先が青木繁記念館として保存され、また布良海岸の高台には記念碑が建てられています。

青木繁記念館
青木繁記念館

記念碑
記念碑

青木繁記念館のスタンプラリースポットはこちら

カノープス探しにおすすめのグッズ

きれいな冬の星空観賞には寒さ対策が必須です。人も機材も温めてくれるグッズをご紹介します。

SUBARU ONLINESHOP

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ダウンジャケットやパーコレータなど星空観賞を助けるグッズを取り揃えています。

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Vixen ONLINE

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カノープスのような見つけにくい星は双眼鏡があると便利です。

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いよいよカノープスを探しに

カノープスの観測は、駐車場確保と安全な地形での観賞を優先するため、隣接する南房総市の野島崎灯台へクルマを走らせました。野島崎灯台の下は星空観賞スポットとして有名な場所。関東地方で南の空に街明かりが入らない希少なロケーションのひとつです。

野島埼灯台のスタンプラリースポットはこちら

野島埼灯台のスタンプラリースポット

水平線を漂う雲の切れ間から….!?

水平線を漂う雲の切れ間から
ああ。なんと幸運なのでしょうか。水平線を漂う雲の切れ間に、周囲の星々とは違って赤く輝く星を発見しました。今回のターゲット、りゅうこつ座のα星カノープス、まさに布良星です。本来なら画面の上部にある明るいシリウスに次ぐ明るさのある星ですが、水平線にちかいところではこのようにわずかの明るさ。それがまた希少性を感じさせてくれます。

オリオン座やシリウスとの位置関係
超広角レンズで視界を収めるとオリオン座やシリウスとの位置関係はこのようになります。カノープスが水平線に近いところにあるのがわかりますね。

エピローグ。深夜、真実となる布良星伝説

水平線を漂う雲の切れ間から
カノープス観賞後、布良漁港に戻りました。西に開けた布良漁港は水平線すれすれのすばるを撮るロケーションとして最適だからです。
ところが、すばるを観賞していると次第に風が強くなってきました。日中の暖かさとは一転して気温も低下していることが肌でわかります。夜の海は唸り声のような強風とともに三角波が白い姿を闇の中に輝かせています。まさに布良星伝説のとおり、海は大しけです。
おそらくこれは昼夜間の気温差がもたらした海陸風によるものでしょう。昼間の風の穏やかな快晴で暖まった沿岸の海水温と、夜間の放射冷却による陸地の気温低下によって局地的な気圧差が発生したのだと考えられます。クルマに戻るとインパネのモニターは気温4度。昼間は18度でした。
つまり、カノープスが見えるほど夜まで快晴が続けば、強い放射冷却によって夜の海がしけるわけです。近くを流れる暖流の黒潮も一因かもしれません。いずれにせよ布良星伝説は、科学が定かではない時代に海難に苦しんだこの地の人々の経験がつくった生き抜く知恵なのだと実感しました。
すばるが水平線に消えるのを見届けて今回の取材を終えました。


今回の星空車は、IMPREZA SPORT Advance

IMPREZA SPORT Advance
今回取材で使用したのは、2020年10月に発売されたIMPREZA SPORT Advance。2016年にカーオブザイヤーを受賞した第5世代インプレッサの最新モデルです。 Advanceグレードに搭載されるe-BOXERは優れた重量バランスと低重心による安定感が特徴のパワーユニットです。高速走行時は高剛性低重心なプラットフォームと相まって安定感のある走りを、エンジンの効率が悪い低速回転域ではモーターのパワーを使いながら静かでクリーンな走りを提供します。今回の取材地である布良や野島崎灯台など港町特有の路地などもモーターのパワーで発進や加速をアシストしキビキビと走ってくれました。

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