すばる星空倶楽部

SUBARUのある星景

SUBARUのある風景

本取材はコロナウイルス感染拡大予防対策を徹底した上で実施しました。星空観賞等で外出をされる場合は、国や各地方自治体の感染拡大予防ガイドラインをご参照ください。

日本で最も県内の気候が違う県、福島。!

日本全国の都道府県において、福島県ほど県内の気候分布がはっきり分かれる県はないでしょう。北海道や三重県もいい線いっていますが、やはり福島県には敵いません。冬なら会津で雪でも浜通りではピーカンみないなことがほとんど。梅雨でも地域を移動すれば「晴れてた」みたいなことがざらです。そういう意味で星を追いかけてドライブするなら、福島県はうってつけの都道府県だと言えます。

福島の気候

福島県内がこれだけ気候が違うのは、縦に2本走る山地のせいです。会津と中通りをわける奥羽山脈、中通りと浜通りをわける阿武隈高地が、季節風や気団の妨げとなって局地的な気候を形成しています。会津地方の冬の厳しさは亜寒帯地方に区分されるほどですが、豊かな雪解け水と、2つの山地に広がる丘陵地の寒暖差で育つイネやソバ、フルーツ類はとても美味しく育ち、たくさん収穫されます。


スタートは雪の中から。会津戦争の激戦地・鶴ヶ城の北出丸をS4で走る。

鶴ヶ城の北出丸を走るS4

まずは会津若松市のシンボル、鶴ヶ城から旅を始めました。追手門跡から北出丸は城内をクルマで通ることができます。シケインのような石垣道を徐行(通行人もいるので気をつけましょう)すると何ともクルマが絵になりますね。
会津戦争ではこの北出丸が一番の激戦地でした。新政府軍は猛攻を加えるも外桝形の北出丸が難攻不落で城を落とすことができず、1ヶ月の籠城戦を戦いきってようやく降伏開城となりました。

スバル360

飯盛山、白虎隊士墓所へお参り。

続いて会津若松市はずれの飯盛山へ。ここはかの有名な白虎隊士が自刃した場所です。戦死と自害含む19人の銘々碑があります。ところで鶴ヶ城の落城を隊士たち勘違いして自刃したことが後世に広まっていますが、事実は、負傷者のいるなか入城か突撃か少年たちは激論の末、「敵に捕まり生き恥を晒すよりは武士の本分を明らかにする」ため自刃の結論に至ったようです。それにしても日中なのにパネルの車外温度は-2度。冬の厳しさは東北地方でも指折りですね。

白虎隊の銘々碑


飯盛山の会津さざえ堂。

麦の名店、桑風庵。

飯盛山へ来たらぜひ訪れたいのが、会津さざえ堂こと、円通三匝堂です。平面六角形の特異な建物で、内部には二重らせん構造の斜路が続き、最上階まで上って玄関へ降りるまで、他者とすれ違うことがない不思議な構造です。1796年の建立で、国の重要文化財として保護されています。

会津へ来たらラーメンと蕎麦を。

会津地方へドライブに来たら、会津若松市と隣接する喜多方市へ訪れて、喜多方らーめんを食べてみませんか。共通した特徴は平打ち熟成多加水ちぢれ麺。喜多方は朝ラーメンの文化があるところですが、このちゅるっとした優しい食感なら朝からでも食べられそうです。

また会津地方はほぼ全域でソバが名産です。大内宿の高遠蕎麦、南会津や檜枝岐の裁ち蕎麦など、全国ブランドの名産もあります。

喜多方らーめん

猪苗代湖の湖畔へ。冬の天神浜と野口英世記念館。

猪苗代湖

会津若松市内から東へ移動して猪苗代湖へやってくると、一面雪景色でした。夜間が晴れ予報なら猪苗代湖畔で星空観賞も候補に入れていましたが、ご覧のとおり厚い雪雲に覆われていたため天神浜オートキャンプ場を見学してきました。店員さんから「スタックに気をつけて」と注意されて一瞬スバル魂に火がつきましたが、場内は雪中キャンプをされている方もいるため、徐行しながらシンメトリカルAWDとダンロップWINTERMAXXの威力をこっそり堪能しました。もちろん、S4の最低地上高を考慮すれば蛮勇は禁物です。

冬の天神浜

写真ではうっすらと磐梯山のふもとが見えます。絶好のロケーションなので晴れた日はぜひ。
この天神浜から南の長瀬川河口にかけては、大陸からの季節風(北西の風)が強く吹くと、岸辺の木々に波しぶきが付着して凍る「しぶき氷」という自然現象が観られます。

猪苗代湖畔には野口英世記念館があります。どでかい記念館が野口英世の生家を風雪から護るように建っています。白虎隊士もそうですが、福島の人々が郷土の誉れある人物を深く尊敬しているのがよくわかります。

麦の名店、桑風庵。


浜通りいわきへ。快晴の星待ちタイム。

星空スポットは湯の岳パノラマラインの駐車場

猪苗代磐梯高原ICから磐越道を80分ほど走ると常磐道へ。阿武隈高原SAを過ぎると空が明るく青空に変わっていきました。冒頭の写真と見比べてください。同じ県内とは思えません。これぞ福島マジック! いやマジックじゃなくてれっきとした気候という自然摂理の為せるところです。星空スポットは湯の岳パノラマラインの駐車場に決めました。


Vixenから対空双眼鏡をお借りしました。

今回はVixenからすばる観賞の決定版ともいえる対空双眼鏡をお借りしてきました。これがすごい! とにかくくっきりよく見えます。鏡筒を2つ使う構造でも経緯台がしっかり支えていくれているので視野が震えたりしません。試し観賞で復興した小名浜の街を見渡しました。夜景が綺麗です。

観賞の決定版ともいえる対空双眼鏡

Vixen 対空双眼鏡 HF2-BT81S-A

星雲・星団観測の決定版
Vixen 対空双眼鏡 HF2-BT81S-A

好きな天体をゆっくり眺める至極の時間を。口径81mmの対空双眼鏡とHF2経緯台、三脚のセットです。付属の接眼レンズ以外でも、31.7mm径接眼レンズが装着可能ですから、倍率を変えることができます。


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福島を横断し、南中を通るすばるについて思うこと。

恒例の愛車とすばるのツーショット 19時台から観賞を開始。すばるはちょうど南中にありました。
初秋から晩春の長い期間に太陽の軌跡とほぼ同じ位置(黄道)で観賞できるすばるは、遠い昔から農作業の標(しるべ)として人々の営みに深く関わってきました。たとえば長野県では「すばるまんどき粉八合」という農村のことわざがあって、すばるが南中に輝く明け方(8月下旬から9月上旬)に蕎麦を蒔くと実が一番肥えると言い伝えがありました。東西南北に長い日本のこと。位置や気候、作物の種類に応じて違いはありますが、農作業のいろいろな場面ですばるは標として使われていたそうです。

南中を通るすばる 今回旅してきた会津、猪苗代、いわきは古い時代から農業が行われた地域でした。すばるは何らかのカタチで農作業の標となっていたのではないでしょうか。とくに会津と猪苗代の丘陵地は厳しい冬に備えてソバが貴重な糧でした。「すばるまんどき粉八合」と言ったかはわかりませんが、きっと農業の営みに役立っていたことでしょう。現代においてSUBARU車はAWDの走破性から雪国の人々に高い支持を頂いていますが、こうしてすばるを眺めていると「すばる」という言葉と人々の暮らしに不思議な縁(えにし)を感じた今回の旅でした。

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