本取材はコロナウイルス感染拡大予防対策を徹底した上で実施しました。星空観賞等で外出をされる場合は、国や各地方自治体の感染拡大予防ガイドラインをご参照ください。
今年の大型連休、読者の皆さんはお出かけのご予定があるでしょうか。出かけたいけど行く場所が決まっていない方がいるならば静岡県をおすすめします。今年は大河ドラマの影響もあって、静岡県では家康公ブーム。縁のある地で大変な盛り上がりをみせています。
「あれ? 徳川家康は三河(愛知県)の出身ではないか」
そう思う方もいるでしょうが、家康公。じつは7歳から19歳までの12年間と、45歳から50歳の5年間、65歳から75歳で亡くなるまでの約10年間を駿府(静岡市)で過ごしました。また宿敵武田家との戦いに備えるため、29歳から45歳までの17年のあいだ本拠地を浜松にしていたんです。
家康公本人に聞けばきっと「わしは静岡県民」と言っていたはず(笑)。冗談はさておき、それぐらい静岡県の人にとって家康公はご当地イチバンの有名人なのです。
ということで今回の星空ドライブは、家康公が愛した静岡県へ行ってきます。初夏の時期は新茶が広く出回ります。窓を開ければ新緑の香り良きドライブが愉しめるでしょう。
最初に訪れたのは静岡市の中心、駿府城です。駿府城の周囲は行政や教育機関が集積し、市民に親しまれる公園となっています。家康公にとって人質時代に過ごした臥薪嘗胆の地と思いきや、45歳のときに戻り住み、駿府城を近世城郭として大改築します。しかし5年後の50歳のときに、豊臣秀吉の思惑により江戸の地へ遠ざけられてしまいました。
その後、江戸幕府を開いた家康公は将軍職を秀忠に譲り、65歳になって三度目の駿府入城を果たします。その際の天下普請によって現在の三重の堀を持つ輪郭式平城に大改修しました。駿府を愛した家康公。その政治発言力は強大で、駿府城は大御所と呼ばれ、城下町も江戸にひけをとらないほど賑わったそうです。
続いてやってきたのは浜松城です。家康公は29歳から45歳までの17年間居城としました。駿河今川家の呪縛から解き放たれ、織田の同盟となり、やがて実質的に信長の家臣として生きた時代の居城です。当時の家康公にとって目下の敵は信州から南進を目指す宿敵、武田信玄でした。
武田勢が攻めてくるルートは南アルプスの西側、天竜川沿いのルート。武田勢とは大敗北の三方ヶ原の戦い、大勝利した長篠の戦い。いずれも浜松城から出陣しました。その後、豊臣秀吉と戦で勝って政治で負けたと言われる小牧・長久手の戦いを最後に前述の駿府城へ居城を変えました。
浜松市内にある築山御前月窟廟
家康公の浜松時代を語るエピソードで外せないのが正室築山殿と長男松平信康です。
はじめ、家康公は織田信長と同盟という立場にいましたがこの稀代の英雄を前にするとさすがの家康公も家臣という意味合いが強くなっていきます。
そこに不満があったとされるのが、今川家血筋の正室・築山殿と、父不在の中、三河で嫡男として育った松平信康です。興味深いのは信康の名字。
父・家康公が徳川に改姓しても松平家を名乗っていたところをみると、家康公と信康は父子の仲が円満と言えなかったようです。
信長の不興、信康の素行の悪さ、三河家臣のクーデターなど、さまざまな説がありますが、史実として信康は自害させられ、築山殿は斬首されます。家康公は今川家の血縁をすべて絶ちました。出世の栄光には深い影があるわけです。
信康が自刃した二俣城の城跡
浜松といえば「うなぎ」。と言いたいところですが、もう一つの名物、浜松餃子をいただきました。浜松餃子の特徴はなんといってもこの薄い皮と一口で入る大きさです。餃子どころで名高い宇都宮や博多ともまた違う独特の進化を遂げているんですね。そうそう、浜松餃子の添え物はもやしが定番です。油っぽくなった口の中をさっぱりさせてくれます。
さて、#スバコミが浜松まで来たなら浜名湖ガーデンパークに立ち寄らなければなりません。東西のスバリストが集まる名物ミーティング「#スバコミメンバー浜名湖オフ」の開催地だからです。最後の開催は2019年。あれからもう4年の月日が経ったんですね。
広大な駐車場があるため、クルマ好きのオフ会開催地として有名な浜名湖ガーデンパーク。ロケ当日もレヴォーグオーナーの皆さんがオフ会を開かれていました。
浜名湖ガーデンパークでは、かつて浜名湖オフ会に参加されたことのあるHさん夫妻と待ち合わせしました。今月の星の旅人です。
Hさんご夫婦は星空観賞をドライブの目的の一つにされています。昨年は皆既月食を観賞されたとのこと。
愛車の SUBARU BRZ(ZC系)はSUBARU3台目。「やっぱりクーペが好きなんですわ」とHさんご主人。ドライブの際は、奥様が行きたい場所を探し、運転好きのご主人が連れて行ってくれるそうです。ちなみに奥様の愛車はプレオプラス。ご夫婦揃ってSUBARU好き。
カメラが趣味のご主人はSUPER GTやラリーの観戦もパシャリ。今回は星景写真にもチャレンジされるとのこと。そんな自己実現をテーマに参加していただけるとは嬉しいかぎりです。奥様には星空観賞に最適なVixenの超低倍率双眼鏡「SG2.1×42H」をお貸ししました。
星座観察用の超低倍率双眼鏡星空観察のために開発された、倍率2.1倍、口径42mmの双眼鏡です。超低倍率2.1倍、口径42mmというスペックが、広い範囲の星空を見渡すことを可能にします。倍率6~10倍程度の双眼鏡と比べると圧倒的な開放感があります。
静岡県内で星空観賞を予定していたのですが、駿河湾沿岸に厚い雲が現れました。暖かく湿った空気と冷たい風がぶつかる春は、本州南岸に低気圧の赤ちゃんが生まれやすいのです。それならばと強い北風が吹き抜ける伊良湖水道を目指し、伊良湖岬で観賞することにしました。静岡県側の東の空はガスっていましたが、水道側の西はスッキリ晴れ、なんと月のそばにすばるが見えるではありませんか!?
本当は北斗七星やしし座など、春の星座を撮りたかったのですが東の空は雲。晴れた西の空に冬の星空を見送りました。冬の大三角や山に隠れようとするオリオン座を見つけられますか?
Hさんは無事、星景写真の撮影に成功されました! おめでとうございます。お二人とも肉眼ですばるを見たことはないらしく、星空観賞を心から楽しんでいただけたようです。
急な場所変更もありましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
また星空で再会しましょう!
今回の星空観賞でずっと行きたかった浜松市内にある石人の星公園。スポーツや自然環境を活かした野鳥観察ができます。星空観賞会も頻繁に開催されているようです。
また近隣には、日本三大砂丘の中田島砂丘が広がり、ドライブスポットとしてたくさんの観光客が訪れていました。
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