すばる星空倶楽部

星空Q&A

天文学的な知識や観賞方法などをテーマに、皆さんのご質問に対して星のソムリエ®の皆さんがお答えします。

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オリオン座は明るく、有名な星座のひとつです。左上にある赤く大きな星をベテルギウスといいます。ベテルギウスを日本語にすると「わきの下」です。狩人オリオンのわきの下にある星からそのように名づけられました。
ベテルギウスは非常に歳を取った星で、残された時間の少ない星です。地球からの距離は約642光年。もしかしたら、すでに大きな恒星の死ともいえる超新星爆発を起こしているかもしれません。わきの下が大爆発なので、天下無双の狩人もたまったものではありませんね。

北極星とは地球の回転軸(コマで言えば、真ん中の棒)の北側をまっすぐ伸ばしたところにある星を指します。現在の北極星はこぐま座のα星ですが、未来では別の星に移り変わっていきます。これは歳差運動(さいさうんどう)によるためです。歳差運動とは、回転している物体の回転軸が、円を描くように動くことです。たとえれば、止まる寸前のコマの回転軸が描く動きです。北極星は地球の回転軸の北側をまっすぐ伸ばしたところにある星なので、約1万200年後には、はくちょう座のデネブ、約1万2000年後はこと座のベガに移り変わります。ちなみに現在の北極星は西暦2100年頃にもっとも北極軸に近づきます。

A.地面に足をつけた状態ならば、星にいちばん近いのは世界一標高が高いエベレスト山頂です。一方、地球は赤道に向かって伸びた楕円(だえん)なので、地球の中心から測るとエクアドルにあるチンボラソ山頂が星にいちばん近くなります。ですが、どちらにしても皆さんが暮らしている場所から、たかだか8〜10km程度近づくだけですので、数光年から数千光年離れた星々との距離を考えれば地球上のどこで見ようと大差がありません。(※1光年=約9.5兆km)

そこで星への近さではなく、星が美しく見えるという視点に切り替えてみましょう。
空の暗さと星空の保護に取り組む「国際ダークスカイ協会」が、最高ランクの金賞と認定した美しい星空が見られる場所があります。それはニュージーランド・テカポ湖を含む『アオラキ・マッケンジー』、ナミビア・ナミブ砂漠にある『ナミブランド自然保護区』、アイルランド・ケリー州の『アイベラ半島』の3箇所です。いずれも街灯りや大気汚染がなかった太古の昔に近い状態で星空が見られると言われています。一度は訪れて、この眼で見てみたいですね。

A.身近なものでは地球と宇宙の大きさを例えられません。太陽系のある天の川銀河でさえ直径が約10万光年なので約9.5×10の20乗km、地球のサイズは約13000kmなので…。計算するのがとても大変ですし、この時点で想像もつかなくなります。宇宙には天の川銀河のほかにも数多くの銀河があり、そのサイズを想像するのはとても難しいことです。
そこで、国立天文台が公開している、宇宙の大きさを体感できる動画をお勧めします。ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=jM02C3uSBXY

A.誕生月の星座は、太陽の通り道にある十二個の星座が割り当てられています。占星術では、「(誕生月の星座は)その人が生まれたときに太陽が位置していた星座」となっています。つまり、その人が生まれたときに、地球から見て太陽の裏側にある星座が、その人の誕生星座なのです。
よって誕生日に見ることはできません。誕生星座が見えはじめるのは、誕生日の3〜4ヶ月後になります。

A.天体望遠鏡で星雲を見ても、白いもやのように見えます。写真のようにきれいな色を見ることはできません。その原因は天体望遠鏡ではなく、人間の目にあります。暗いところに目が慣れてくると、目の中にある色を感じる部分がお休みしてしまうので、白いもやのように見えてしまいます。カメラのようにフイルムに光をためていくことができれば、写真と同じく色を見ることができます。ですが、人間の目は瞬間の光だけを見ているため、やはり星雲の色を見ることはできません。しかし、天文台などにある対物レンズの大きな天体望遠鏡で星雲の光を集めると、とても明るく見えるため、目のなかにある色を感じる部分がまた働きだします。そのため、人によって赤や緑に見えたりします。

A.星座のはじまりは、紀元前3千年ごろのメソポタミア文明でつくられたと考えられています。「新年祭」と呼ばれる粘土の板には、さそり座やペガスス座などの星座が登場しています。その後、紀元前8世紀頃にギリシア神話と結びついて発展していきます。さらに15世紀の大航海時代に南半球で、北半球には見えなかった星座が発見されると、いろいろな人が好き勝手に星座をつくるようになってしまいました。その混乱を避けるために、1928年に国際天文学連合が現在の八十八星座とその境界線を決めて、世界共通の星座となったのです。

A.ガリレオ・ガリレイが「土星には耳がある」と表現した土星の環(わ)ですが、じつは木星や天王星、海王星にも環があることがわかっています。土星の環は水と氷です。元々は水と氷でできた土星の衛星(地球でいえば、月のこと)でしたが、ぶつかり合って粉々になり、今のような状態になったと考えられています。

A.「流れ星」の前に、「彗星」の話をしましょう。
「彗星」の正体は、直径1kmから10km程度の氷や塵などのかたまりです。「彗星」が太陽に近づくとその熱で表面がたくさん蒸発して、尾を引いているように見えます。この「彗星」の尾は、流星物質と呼ばれる0.1mmから数mm程度のとても小さなカケラを、自分の通り道に撒いていきます。その通り道と地球が通る道が重なったとき、小さなカケラと地球の大気がぶつかって「流れ星」が発生します。「流れ星」は、「彗星」の置きみやげから起こっているのです。

A.流星群は毎年同じ時期に見える「定常群(ていじょうぐん)」だけでなく、数年から数十年おきに見ることのできる「周期群(しゅうきぐん)」や、突然見えることのできる「突発群(とっぱつぐん)」があります。このうち「定常群」や「周期群」は、地球の通り道が、毎年ほぼ同じ日時で彗星の通り道に重なるため、同じ時期に見ることができるのです。

A.「天の川」とは私たちの太陽系が含まれる銀河のことで、実は一年を通して毎晩見えています。ただ、人や建物の多い場所では、街の明かりで夜空が見えづらくなる光害(ひかりがい)があるため、街の明かりからかなり離れた場所に行かないと見ることが難しいのです。天の川は、日本では夏の南の空で、大きく見やすくなります。

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