お客様の愛車30台のほか、SUBARUからも蔵出し!?の超レア車2台を出展。そのクルマは「P-1」と「A-5」の2台の試作車。
「P-1(すばる1500)」は、戦後にSUBARUの前身である富士自動車工業が開発した試作車。このP-1には飛行機づくりのノウハウが数多く生かされており、後のSUBARU車にも採用された「モノコック構造」の車体はその代表です。P-1の試作台数は20台、数台が群馬県や埼玉県のタクシー会社に販売されましたが、現存するのはこの1台のみ。
もう一台は、「A-5」。こちらは#スバコミメンバーの投票によって出展が決まりました。
スバルテクノ㈱から説明員として参加した山田さんは、普段表舞台に立つことがないA-5が選ばれたことを大変喜んだようでした。
「A-5は今のSUBARU車につながるターニングポイントとなったクルマ。SUBARUは、スバル360によってひとつの金字塔を得ることができましたが、やはり小型車をやってみたかった。だが小型車開発では他社と比べて後発たっだので独自性を打ち出す事が必要でした。そこでコンセプトとなったのが、水平対向4気筒の縦型レイアウトとシンメトリカルなバランスでした。その後、今に続くSUBARU車の設計思想ですね」
山田さんは続けます。「開発責任者だった故・百瀬晋六さんがこだわっていたのは人間中心のクルマづくり。まず人間が最適な姿勢で乗れること。それが確保されてからクルマが動くのに必要なものをレイアウトしていったんです。水平対向エンジンや当時として斬新だったFF駆動はこうした思想のもとで生まれています。P-1がSUBARUのクルマづくりの原点なら、A-5はSUBARUの独自性の原点といえるでしょう」