SUBARU CYCLE FAN CLUB

メンテナンスしていない自転車はよみがえるのか? 洗車とオーバーホールで自転車に安全と快適さを取り戻す(前編)

乗るのは楽しい!でも乗った後はほとんどそのまま。自転車もクルマと同じように定期的にメンテナンスすることで、長く快適に乗ることができる乗り物です。今回はほぼメンテナンス無しで使われてきた自転車を使って、昔の輝きや快適さを取り戻すまでを紹介していきます(第1回/全2回)。

コロナで洗車&オーバーホールの依頼は増加中

コロナによって自転車での移動が見直され、通勤、通学に使用する人が増加し、販売台数がかなり増えています。その一方で、あまり使っていなかった自転車を物置から出して使用する人も多く、自転車ショップにはオーバーホールの依頼も増加しているようです(編集部調べ)。今回は編集部メンバーの自転車をベースに、初心者でもできる洗車の方法を紹介していきます。みなさんも今年一年間の感謝をこめて、年末年始クルマと一緒に自転車の大掃除はいかがでしょうか?

今回、洗車の手順について教えていただくのは、自転車イベントのタイムの計測などを行う「ジェイナス」の志賀健一さん。自らも自転車レースに出場し、自転車の整備、メンテナンスに精通したエキスパートです。

まずはコンディションをチェック!

志賀さん「あれ、意外とちゃんとした自転車ですね。年式はちょっと古めですが、良いパーツもついているので、購入時はそれなりに良い値段だったと思います。でも・・・パッと見た感じ状態は良くないですね。いろいろなところにサビがありますし、ブレーキワイヤー類の交換、各可動部分のグリスアップなど、大がかりなメンテナンスの必要があるかもしれないです。まずは一旦洗車で汚れを落としてから、しっかりと見ていくことにしましょう」

▲チェーンやボルトなどにサビがかなり浮いている状態。チェーンは交換することになりそうです・・・。

志賀さん「汚れを落とす洗車の方法は2種類あって、水を使わない方法、水を使う方法の2種類があります。水を使わない方法はベランダなど、水道が使えないところでもできますし、水を使う方法はクルマの洗車と同様に、シャンプーなどを使う方法です。今回はそれぞれ紹介しますので、自宅の環境などに合わせてぜひ洗車してみてください!

水を使わない洗車の方法

志賀さん「まずは水を使わない洗車を行います。必要なものはA.ガラスクリーナー、B.メラミンスポンジ、C.マイクロファイバークロス、そして下に敷いているD.レジャーシートの4つです。

ガラスクリーナーはガラスに付着した油膜を落とす効果があり、このタイプは泡で汚れを浮かすのでフレームに傷が入りにくいという効果も期待できます。

メラミンスポンジはカップについた茶渋などを落とすのに使用するものですが、クルマのコンパウンドと同じ効果が期待できます。つまり表面を薄く削ることで、フレームについた細かい傷を見えにくくします。

マイクロファイバークロスはガラスクリーナーの泡をフレームに傷を着けずにふき取るために使用します。

水を使わない洗車の手順は・・・
①ガラスクリーナーをフレームに吹き付ける
②泡をふき取る
③メラミンスポンジで小傷の部分をこする

以上の3つ。

志賀さん「まずはガラスクリーナーを全体に吹きかけていきます。油膜を落とす成分も含まれているので、ブレーキや変速機などにもたっぷり吹きかけましょう。上部から吹きかけていくことで、泡で浮いた汚れがどんどん下にたれていきやすくなります」

▲泡が下に流れるようにたっぷり吹きかけるのがポイント。

志賀さん「フレームからぽたぽたと泡が流れ始めたら、マイクロファイバークロスで拭いていきます。乾いてしまうとガラスクリーナーの成分が跡になってしまうので、乾く前にふき取ります。まずは汚れが少ないフレームから行い、最後に汚れが多い変速機やホイールを拭きます。ホイール周りは砂が付着していることも多く、先にホイールを拭いてしまうと砂がクロスについてそのままフレームを拭くと傷の原因にもなるからです」

▲全体を拭き終わるとクロスは真っ黒。汚れが多いようなら複数枚で拭いていくといいでしょう。

志賀さん「最後はメラミンスポンジで小傷の部分を磨いていきます。このスポンジは表面を削ってガラスクリーナーで落ちなかったこびりついた汚れを落とすものなので、あまり力を入れずに優しく磨いていきましょう。
このように水を使わない洗車は、自転車が置けるスペースがあれば十分にできます。ガラスクリーナーはあまり周囲に飛び散らないので下にレジャーシートを敷くことでベランダや部屋の中でもできる洗車方法です。手軽にできるのでぜひやってみてください!」

水を使った本格的な洗車の方法

志賀さん「次に紹介するのが水を使った洗車です。クルマの洗車とかなり近いので、手順に違和感はないと思いますが、自転車に水をかける、ことについてかなり驚かれることは多いですね。でも割と一般的に行われていますし、本当にキレイになりますよ!

必要なものは A.カーシャンプー、B.ガラスコート剤、C.マイクロファイバークロスとコンパウンド、D.スポンジ&ハケ、E.バケツの5つです」

その手順は・・・
①水で表面のホコリなどを洗い流す
②シャンプーを泡立てて、全体を泡で洗う
③泡を水で洗い流す
④マイクロファイバークロスで水気をふき取る
⑤コンパウンドで小傷を磨く
⑥ガラスコーティング剤を塗布する

志賀さん「これらの工程をいつも行うのはなかなか大変なので、普段は水を使わない洗車を行い、2か月に1回くらいは水を使った洗車をすると自転車をキレイなまま保つことができると思います」

志賀さん「まずは自転車表面についたホコリを水で洗い流していきます。いきなりシャンプーなどで洗いはじめると表面のホコリがフレームを傷つけることがあるからです。まずは水洗いからスタートしましょう」

志賀さん「次にシャンプーを泡立てます。シャンプー液で洗うというよりも、『泡で汚れを浮かす』というイメージなので、水を勢いよく出して泡を作っていきます」

▲水を使わない洗車と同じく、上部から下部に向かって洗車。泡を上から下に流していくように。

志賀さん「フレームを洗ったら、最後にタイヤやホイールなど汚れの強い部分を洗います。スポンジに砂などがつき、それでフレームを傷つけないためです。このあたりはクルマの洗車とやり方は同じですね」

志賀さん「変速機などのパーツが入り組んでいる部分はハケを使って汚れをこそぎ落とすように。ハケの先端をカットすると少し毛先が固くなりコシが出るので、汚れが落ちやすくなります」

志賀さん「洗い終えたら十分に水で泡を洗い流して、水気をふき取ります」

志賀さん「水気をふき取ったら、コンパウンドで小傷のある部分を磨いていきます。クルマ用のコンパウンドを使用しても問題ありません。荒めのものから細かいものへ、順番に傷がつきにくいマイクロファイバークロスで磨いていきます」

志賀さん「最後の仕上げは、ガラスコーティング剤を塗布して表面を保護してつやを出します。油分が入っているので、ブレーキ周辺とホイールのブレーキが当たる面にはかからないように塗布してふき取りましょう。」

志賀さん「洗車に加えコンパウンドで磨き、コーティング剤も使用したので、見違えるようにキレイになりました。フレームが黒なのでツヤが出ているのが画像でも分かります」

▲フレームは見違えるようにキレイになったものの、やはり各部のサビは洗車では落ちません。

▲サビているブレーキワイヤーや、すり減ったブレーキシューも要交換。

志賀さん「洗車を終えて、改めて自転車の状態を見てみるとキレイにはなっていますが、洗車だけでは問題が解決しない部分が多くあります。多少サビも落ちていますが、部品交換が必要な箇所があります。特にチェーンやワイヤー類は安全性に直結する部分なのでそのままだとかなり危険。メカに詳しくない方は、信頼のおけるプロショップに作業をお願いするのがいいですね・・・」
洗車をすることでフレームを中心にきれいになったものの、安全や快適さを取り戻すには部品交換が必要なことがわかりました。そこで次回は部品交換が必要な部位、交換時期の見極め方など、お店でやってもらう際のメンテナンス(オーバーホール)の手順などを紹介します。チェーンやワイヤーの交換などを中心に、実際にどれくらいの金額がかかるかまでリポートする予定です。

※今回は具体的な方法は省略していますが、洗車後はチェーンなどに注油を行ってください。

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