SUBARU CYCLE FAN CLUB

購入時の不安解消!
はじめてのスポーツ自転車選び 後編

休日はサイクリングをして、平日は通勤や通学の足としてもスポーツ自転車のある生活をはじめてみたい!でも、どのモデルを購入したらよいのかわからず、二の足を踏んでいる人も多いはず。『はじめてのスポーツ自転車選び【後編】』では、【前編】に続いてスポーツ自転車選びのイロハをわかりやすく紹介していく。

はじめてのスポーツ自転車選びは不安があって当然

経験豊富なスタッフが案内してくれる。今回、ワイズロード新橋店の田渕喬介店長が教えてくれた

初心者にやさしく教えてくれるのは、スポーツ自転車ショップ大手のワイズロード新橋店の田渕喬介店長。前編では、目的に応じたクロスバイクとロードバイクの選び方にはじまり、ロードバイクの中にも走りのスタイルによって幾つかのタイプがあることも紹介した。さらに、サイズ選びもスポーツ自転車の大事なポイントであり、専門ショップではフィッティングサービスによって最適なサイズを見つけることができるようになっていることも案内してくれた。

ディスクブレーキ or リムブレーキ

近年、ロードバイクの構造面での大きな変化といえばブレーキシステムだ。クロスバイクやマウンテンバイクなどは以前からディスクブレーキシステムが採用されてきたが、昨今、ロードバイクにもディスクブレーキが普及し、ほぼ全てのスポーツ自転車がディスクブレーキ化している。ディスクブレーキの構造を簡単に解説すると、ホイール側に装着されたローターと呼ばれる円形の構造物を両サイドから挟み込むことでホイールの回転を止める制動システムのことだ。

ホイールの中心に取り付けられたローターが特徴的なディスクブレーキモデル

絶対的な制動力だけでなくレバーの引きの微調整もしやすいディスクブレーキ

「今ショップにある多くのモデルがディスクブレーキモデルです。以前からあるリムブレーキシステムに比べて、ブレーキレバーを軽く握るだけでしっかりとブレーキをかけることができます。そして握り代の微調整も容易なため自転車のスピードコントロールもしやすいです。さらに、リムブレーキでは制動力が弱まりやすい雨天時でも確実に制動してくれる安心感があります」

ショップにもディスクブレーキモデルが多く並ぶ

リムブレーキにもメリットは多い!?

リムブレーキモデルにもメリットはある

このように、スポーツ自転車のブレーキ操作に慣れていない初心者や、ロングライドでもブレーキ操作にストレスを感じずに快適に楽しみたい人、さらには通勤通学など雨天時も走るような場合、ディスクブレーキの恩恵を受けられる。
一方で、リムブレーキシステムに比べてディスクブレーキは、同じフレームや同じメインコンポーネント(自転車を構成する主要パーツ)でも価格が高くなる傾向にある。たとえば、同じトレックのドマーネAL2でも、リムブレーキモデルが10万9890円(税込)、ディスクブレーキモデルは13万3100円(税込)といった具合だ。

トレックのドマーネAL2のリムブレーキ(上)とディスクブレーキ(下)モデル。価格はおよそ2万3000円ほどの差がある

昨今はディスクブレーキのメリットに注目が集まるがリムブレーキにもメリットはある。まず前述の通り、ディスクブレーキに比べて価格が抑えらる。メンテナンス性やランニングコストにおいてもやや優れている。
そのほか、実は電車など公共交通機関に自転車を乗せて移動する輪行シーンでは、リムブレーキが候補に入ってくる。

サイクリングのフィールドを広げてくれる輪行

分解、組み立て、運搬のしやすさはリムブレーキのメリットでもある

「輪行をすると好きな場所へどこへでも走りに行けるため、スポーツ自転車を走らせる世界が一気に広がります。ホイールを外して専用の袋に収納する輪行時、ディスクブレーキはキャリパー側もローター側もやや取り扱いがシビアになります。その点、ホイールの着脱もワンステップのリムブレーキは輪行シーンには適していると言えるでしょう」

現在、スポーツ自転車はディスクブレーキが主流であり、メリットが多いものの、リムブレーキモデルも選択肢に入れながら選ぶことをおすすめしたい。

フレームのジオメトリーから走行特性がわかる

フレーム各部のサイズが数値で示されたジオメトリーと呼ばれるデータを見たことがあるだろうか。フレームを設計する各数値は、自転車の走行特性を決める要素になる。とはいえ、初心者がこのジオメトリーを見て理解することは難解だ。
そこで、フレーム設計の特徴による走行性能の違いについて、初心者がまずは知っておきたいポイントを解説してもらう。

「空力を重視したエアロロード系は、基本的にレーシングバイクなので自転車の上で前傾の深い姿勢を取りやすい設計になっています。空気抵抗を減らすフレーム設計になっている反面、ゆったりとロングライドを楽しみたい初心者にとってはストレスがかかりやすくなります。もちろん、適正なフレームサイズを選べば、その中で快適なポジションに近づけることは可能です。一方で、休日にサイクリングロードをマイペースで走りたいというようなお客様には自転車上でやや上体を起こした楽な姿勢を取りやすく設計されたエンデュランスロードがおすすめです。もちろん、フレームの特性はフレーム設計だけで決まるものでもありません。フレームの素材も影響しますし、そもそも走行性能はフレームだけでなく、ホイールやタイヤを含めて決まるものです」

エアロロードの代表的モデル、トレックのマドンシリーズ

エンデュランスロードと言えば、トレックのドマーネシリーズ

このように、高い空力性能などレーシング性能を追求したエアロロード、長距離走行も快適にこなすことができるエンデュランスロードなどフレーム設計の違いによって走行特性が変わってくる。
なお、これからスポーツ自転車を楽しむ上で、フレームのジオメトリーを理解していなくても全く問題はない。興味があればショップのスタッフが丁寧に教えてくれる。ビギナーほど個人のYouTubeやブログ等に頼りやすい傾向にあるが、確かな専門知識をもつショップスタッフから得る知識ほど、これからのサイクルライフに役立つことはない。これもショップ経由でスポーツ自転車を購入するメリットのひとつと言える。

ヘルメットの着用努力義務化がスタート!

最良のスポーツ自転車と出会え、これからスポーツ自転車ライフをスタートさせる時に揃えておきたいアイテムがいくつかある。スポーツ自転車そのものだけでも高価であるが、今後のサイクルライフを快適に安全に楽しむためには欠かせないアイテムたちを紹介する。
中でも、社会的にも注目を集めているのがヘルメットだ。2023年4月1日、道路交通法の一部が改正され、すべての自転車利用者に対してヘルメットの着用努力義務化が法令で施行された。
「スポーツ自転車に乗るときは、万が一に備えて頭部を守るヘルメットの着用が義務付けられることになり、ヘルメットをお求めになるお客様も多いです。価格帯は5000円ほどから、30000円前後する高性能モデルまで幅広く展開しています。ヘルメット選びのポイントは、展開されるサイズ(SやMサイズなど)を選ぶだけでなく、自身の頭部形状に合ったモデルを選ぶことが大事です。実際に被ってみてストレスがないか快適さを確認しましょう」

数多くの在庫の中から、実際に手に取ってベストなモデルを見つけることも楽しみだ

自転車以外に揃えておくべきアイテムは?

ヘルメットの他には、前後のライト、カギ(施錠ロック)、タイヤの空気入れ(フロアポンプ)は揃えておきたい。余裕があればグローブや、スマートフォンを自転車に設置できる専用スマホケースも用意できるとベスト。
また、スポーツ自転車の完成車販売の多くはペダルが付属していないことが多い。スポーツ自転車独特のビンディングペダルと呼ばれるペダルの使用を前提としており、のちに自身の好みのブランドのペダルを付けるためだ。はじめからビンディングペダルとシューズを揃える必要はないが、フラットペダル(シティサイクルに付いている一般的なペダル)を購入する必要もあるので注意したい。

ビンディングペダル(左)もあるが、まずはフラットペダル(右)からで大丈夫

「スポーツ自転車購入時には、自転車本体以外に揃えておくべきアイテムについてもご案内しています。はじめてのスポーツ自転車は、これらの予算も頭に入れながら購入するようにしましょう。また、スポーツ自転車には自立式のスタンドは付属していません。室内保管することも多いと思いますので、ディスプレイスタンドもおすすめしています」

ディスプレイスタンドとフロアポンプは、自宅に1つは持っておきたいアイテム

前後ライト、カギ、フロアポンプのファーストキットを揃えれば、まずは快適なサイクルライフをスタートできる。出先でのパンクトラブルに対処する携帯用のパンク修理キットや、サイクリングに適したジャージなどのアパレル、ビンディングシューズやペダルなどは、後々揃えていければよいだろう。

デザインやカラーも豊富なサイクルジャージを選ぶ

ビンディングシューズにもオンロード用とオフロード用がある。後々の購入で問題ない

初回点検無料サービスや整備証明書の発行も!

気兼ねなく訪れることができるショップがあると安心してサイクルライフを楽しめる

「ワイズロードでは初心者のサイクルライフをサポートするため、納車後の初回点検を無料で行っています。また、新橋店では独自に初心者講習会も実施して、スポーツ自転車初心者の皆さんをサポートさせていただいています」

足を運びやすい信頼のおけるショップをひとつ持っておくことは、サイクルライフを安心してスタートさせ、長く楽しむためには欠かせない。今後、エンデューロレースやロングライドイベントなどに挑戦することもあるかもしれない。最近は参加条件に、安全な自転車でイベントに参加することを証明するための整備証明書を求められるイベントも増えている。こういったサービスもワイズロードでは対応してくれるので安心だ。

前編と後編の2回でお届けしてきた『はじめてのスポーツ自転車選び』。この記事がスポーツ自転車選びに不安を感じている皆さんの背中を押せれば幸いだ。これから始まる楽しく刺激的なサイクルライフを長く続けるためにも、はじめてのスポーツ自転車は納得のいく形で決めてもらいたい。

【ショップ・インフォメーション】

ワイズロード新橋店
住所:東京都港区新橋4-11-1 A-PLACE新橋1F、B1
アクセス:JR新橋駅烏森口から徒歩3分
Tel:03-5422-1394
営業時間:平日12〜20時、土日祝11〜19時
定休日:水曜(祝日除く)

ショップホームページ(新橋店のページ)
https://ysroad.co.jp/shimbashi/

TEXT&PHOTO

ハシケン(橋本謙司)

映像と写真と文字で伝える人。自転車業界のメディアの立場として活動を続けて15年になるフリーランスの自転車ジャーナリスト。専門誌やウェブメディアにて連載をもち、スポーツ自転車の情報を広く発信。e-Mobility協会スペシャルパートナー。日本各地のサイクルツーリズム振興施策、リアルイベントの企画・広報などにも携わる。乗鞍・冷泉小屋スタッフ。過去にMt.富士ヒルクライム一般の部優勝など、自身もアマチュアレースを走り続ける。
https://www.hashikenbase.com

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