SUBARU CYCLE FAN CLUB

通勤用クロスバイクで50㎞走るテクニックをオリンピアンに学ぶ 後編

普段、通勤に使用している自転車を使って「50㎞走る方法」をオリンピアンに学ぶ企画の後編です。今回は実際に走り出してから50㎞を走りきるポイントを田代恭崇さんに紹介していただきます(第2回/全2回)。前編はこちら

いかに「ラク」に走るかがポイント

前編では以下の「①」「②」に関係する、自転車本体やギアなどの準備について紹介しました。

①クロスバイクのセッティング
②持ち物、ウエアの準備
③コース設定
④水分、エネルギー補給
⑤ストレッチ

引き続き今回は「③~⑤」について、実走シーンを想定しながら紹介していただきます。

田代さん:実は「③コース設定」は、50㎞を走る上でかなり大切なポイントです。上りが多いルートは、当然走るのがきつくなりますし、特に夏場はたとえ平坦でも日なたが続くルートは体力を消耗します。走る前にあらかじめラクなルートを設定して、スマホなどで確認しながら走るといいでしょう。

田代さん:ラクなルートとしておすすめしたいのは「川沿いのサイクリングロード」です。アップダウンはほとんどなく平坦で、しかも信号もあまりありません。「信号でストップして、再び走り出す」ことを50㎞の間に何回も繰り返すとじわじわと身体にきいてきます体力が奪われていきます。サイクリングロードはその点でほぼノンストップで走ることができ、ラクに距離をかせぐことができるのでルートに組み込んでみましょう。

田代さん:日かげを走れるルートを探すのはなかなか難しいですが、良いコースが見つかると50㎞がかなりラクに走れるでしょう。Googleのストリートビューではかなり細い路地まで見ることができるので、探してみてはいかがでしょうか?

田代さん:少し走る分には刺激になっていいのですが、上りが少ないコースを選びましょう。地図アプリを使用すると比較的簡単に上りを回避するルートを探せます。たとえばGoogleマップを利用すればルート設定と同時に高低図が確認できるので利用してみましょう。

田代さん:自転車は車道通行が原則です。歩道に自転車および歩行者専用の標識がある場合や車道通行が危険な場合は例外的に歩道通行が認められています。歩道は歩行者が優先です。通行する場合は歩行者との安全な間隔を保ち車道寄りを徐行します。歩行者の通行を妨げる場合には停止しましょう。

田代さん:景色のいい場所をルートに加えるのもいい方法です。景色から元気をもらえることがありますし、その景色を見るために走れる、ということもあります。また「おいしいものを食べに走る」という方法もいいでしょう。これはグルメライドといわれる愉しみ方で、長距離×食べ物の力によってより愉しめるでしょう。

水分補給はこまめに。エネルギーは補給する種類に気をつける

サイクリング中には、糖分と塩分を含んだスポーツドリンクを飲みながら走る、という話は前回教えていただきました。今回は水分補給のタイミング、エネルギー補給のタイミングなども教えていただきます。

田代さん:水分補給はこまめに、というのはご存じのとおり。一度にゴクゴクとのむのではなく、15分ごとに100~150mlくらいを摂りましょう。天候にもよりますが1時間で500mlくらいを飲み切るペースです。前回も紹介しましたが、水だけよりは糖質と塩分が含まれたスポーツドリンクが最適です。

田代さん:走行途中のエネルギー(糖質)補給もタイミングが大切です。走り終わる30分前に糖質を補給をしても消化吸収したときにはすでにゴールしてしまった時になります。あまり頻繁に摂る必要はありませんが、補給したものがきちんと走るエネルギーに使われるタイミングで摂りましょう。

パンやおにぎりなどの糖質であれば、基本的においしく食べられるもので問題ありません。ただし脂質を多く含んだものは消化に時間がかかるため、走行途中には避けた方が賢明です。パンを例にあげるなら、ソーセージが入ったものやデニッシュなどよりも、アンパン、ジャムパンなどを選びましょう。

走行途中は脚よりも首・肩のケアを行う

最後のポイントは「⑤ストレッチ」ですが、走行中は脚よりも首や肩を重点的に行います。

田代さん:自転車に乗ることで脚はほぐれているので、走行途中に脚のストレッチはあまり気にする必要はありません。それよりも、あまり動かさず慣れない乗車姿勢で凝り固まった首・肩のストレッチを行いましょう。

田代さん:片手で頭を支えながら、斜め下方に傾けるように首の付け根を伸ばしていきます。自転車に乗っている時は前傾姿勢で首を上に向けているので首の後ろがつまっています。首の後ろを伸ばしてあげるのがポイントです。ストレッチでは下方に左右30秒ほどゆっくり行いましょう。

田代さん:肩に手を置いて大きく肩を回します。前回し・後ろ回しをそれぞれ5回ずつ行いましょう。

疲れないように工夫することで長距離をラクにする

田代さん:ギアチェンジをこまめにするのも忘れずに。特に初心者だとつい操作するのを忘れて重いギアのまま走りがちですが、ペダルが少し軽いと感じる重さに設定してクルクル回すように回すと、筋力の消耗が少なく効率よく走ることができます。
※ギアチェンジの方法はこちらを参考に!

あとはなるべく早い時間帯にスタートすることもおすすめします。ついのんびり休憩してしまったり、思いもよらないトラブルがあったり、予定をオーバーすることもあります。ライトなどの装備しておく必要はありますが、暗くなると事故の危険性も高まります。明るい内に走り切れるように、余裕を持ったスケジュールで走りましょう。

50kmは最初のステップ。そこからレースにも

田代さんは大学時代サイクリング部に在籍。自転車を愉しむところからレースの世界に飛び込んで、オリンピック出場まで上り詰めた方です。

田代さん:今回50㎞を走るノウハウを紹介しましたが、このハードルをクリアすると世界がガラッと変わると思います。ちょっとした峠道を走る愉しさも味わえるでしょう。上りは辛いですが登り切った時の景観の素晴らしさや達成感は格別ですし、サーキットなどで行えるイベントに参加すれば、普段味わえないスピードを体感することができます。さらに次のステップでもある100kmを走ることができれば、普段とは全く違う景色に出会えます。たとえば日本全国で行われているロングライドのイベントに出場すれば、エイドステーション(水や食事が摂れる休憩所)で地域の特産品を味わい、地域の人たちとの交流を愉しむこともできます。

本格的なロードバイクでなくても、無理なくロングライドを愉しむことはできますし、そこには新しい世界が広がり新しい発見があると思います。自転車をもっともっと愉しんでくいださい!

今回の取材は日本サイクルスポーツ振興会日本サイクリングガイド協会の基準をもとにソーシャルディスタンスに留意し実施しております。

  • 指導/田代 恭崇(やすたか)さん
    リンケージサイクリング株式会社(神奈川県藤沢市)を営み、湘南江の島を中心にサイクリングツアーで年間1,000人を超えるお客様をガイドする。また、サイクリングガイドの養成、自転車交通安全教育、サイクリングコース制作、サイクルツーリズム事業の監修、大規模サイクリングイベントアドバイザー安全管理を務めるなど、全国で様々なサイクリング事業を手掛ける。
  • 取材協力/リンケージサイクリング

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